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保険と税務、そして将来へ

 

日本においては保険神話がいまだ根強く残っているように思えます

「社会人になったなら保険に入らなければいけないよね」

とか

「結婚したら、子供が産まれたら保険に入るべきだよね」

みたいなものです
※実際に私も社会人になった時には訳も分からず保険に加入しました。余談ですが、保険代理店の人が新卒社員を狙うのは知恵を得る前に加入させてやろうという気持ちがあるのでしょうかね。

実際のところ、保険は税制優遇もあります
所得税法における「生命保険料控除」というものです

生命保険料控除とは?



会社員であれば基本、年末調整でこの生命保険料控除というものに触れ合うと思います
これは私の偏った考えかもしれませんが、生命保険料控除というものが所得税法上存在するということは国家が保険加入を促進しているものと捉えています、だって国家の大事な税収を保険に加入することによって一部免除されるというのはそういうことだと私は思います。

生命保険料控除は3つに分かれています
・一般の生命保険料控除
・介護医療の生命保険料控除
・個人年金の生命保険料控除


この3つです、これらが年末調整時に生命保険料控除として税金を戻す役割を果たします

各「一般」「介護」「個人年金」が上限8万円の半分、4万円(旧契約のものは「一般」「個人年金」各上限10万円の半分、5万円)すべてを合わせて上限12万円を所得から控除するものです。

生命保険料控除の額に税率を乗じて減税額を割り出します



国税庁HPより上記図を引用させていただきます、つまりは上記の通りです。

これによる減税効果の話に入ります。
例えば税率10%の人が上限12万円の控除だとすれば1.2万円の減税となります
それがもっとも効率的に保険料を支払っていたとすれば各8万円×3=24万円となります

24万円を掛金として1.2万円の所得税の減税だとすれば5%の減税効果です(住民税減税も合わせればもう少し大きな金額となります。)

生命保険料控除で私が言いたかったことは、

「思ったより減税にはならない」

ということです、保険神話があるのに加え、生命保険に入れば年末調整でお金も戻ってくる、と考える方は結構いるのかもしれません。実際に生命保険料控除でどれだけの税金が戻ってくるのかを一度計算してみるのもよいかもしれません。
生命保険料控除の仕組みはこんな感じです。

まぁ、国家をあげて保険加入を推進している訳には社会保障で賄いきれない部分を個人でやってくれ、というものでしょう。

一般保険は学資保険や死亡保障
介護医療はがん保険や介護保険
個人年金は退職後の老後保障


というものを個人的に付保し、国家保証+αを促すものです。

では、これが本当に良いものなのでしょうか?




しっかり考えてみましょう?

ひと昔前、今の70代から80代の人が保険をかけているときはその運用益も非常に大きく、「やっぱり保険にかけててよかった」という声をよく聞きますし、実際にそのリターンはすさまじかったです。

ただ、現在は違います、
ひと昔前のようなモンスター保険は今は存在しません
今のところ存在しないということで、将来は現れるかもしれませんが、その可能性も薄いでしょう。

しかし、年齢が上の人からすればモンスター保険の残像が残っているのでしょう。保険神話はなかなか崩れません。

加えて個人年金
これは将来に備えて若いころから積立てるケースがほとんどです
若い時は給料も安く、税率が低いために減税効果も少ない
保険会社の設計通りにリタイアの時期を迎えられればまだ良い方
年金受給権の上振れにより、個人年金受給時期と現役世代がかぶってしまったのであれば、現役所得と個人年金所得が合算され、むしろ高い税金を取り返されてしまう可能性もあります。
これは本当に目も当てられません、若年期の減税を取り返されてしまうような印象を受けます
税金は担税力(税負担能力)によって課税されることが多いため、所得が合算されて大きくなってしまえば担税力があるとみなされてしまうためです。

基本的に保険会社は運用益を基に保険契約者に還元をする仕組みとなっています
還元する際に保険会社は自社手数料を差し引きます

であれば、自分で運用した方がよいのではないでしょうか?

というのが私の考え
そして国家の考え(と私は捉えます)

iDeCoというものが出来ました、こちらは生命保険料控除ではなく小規模企業共済等掛金控除というものになります。

小規模企業共済等掛金控除とは?

小規模企業共済等掛金控除は上限もなく、1/2もなく、直接控除額となります。
上限があり、1/2される生命保険料控除よりも圧倒的に減税効果が高いものとなっています。

iDeCoの中身は安全といわれる投資信託です
いわば自分で投資信託を運用し、それに対して減税効果を与えている訳です

投資信託の銘柄については自己責任であり、上がるかもしれないし下がるかもしれない

というわけで自己責任での運用に減税効果を与えているのは国家も自己運用を推進しているのです。

また、つみたてNISAやジュニアNISAといったものも投資信託の運用に対して非課税枠を準備しているのも国家の自己運用推進策な訳です

投資信託は上がるとは限りません、下がるかもしれません

それも包括して全て自己責任ですが、税制面からも国家の後押しがあるのです

保険がすべて不要な訳ではありません
ただし、運用の部分については保険という手段を使う時代は終わったのかもしれません。

純然たる保証の部分での保険は必要だと思います(住宅購入時の団信保険は素晴らしい保険だと思います)。団信保険で賄いきれないローンに対する保証も必要なものだと思います。
死亡保険は遺族にとっては嬉しいものだと思いますが、本当に必要なのでしょうか?実際に受け取る側に聞いてみるのもよいでしょう(支払う保険料と死亡事故時の保険金についてどう考えるかは推定遺族の意向の方が重要かもしれません)
自動車任意保険は生保ではありませんが、必要でしょう。自動車運転に対する金銭リスクは常に大きなものです。
相続税対策の保険(保険の非課税枠を使った保険商品)については私は特だと思います、また、財産にラベリングが出来る(受取人を指定できる)点も優秀だと思います。

これはあくまでも私の見解です
これから先、時代はめまぐるしく変化します

これからの時代、自分で考えて進んでいく、こういうスキルが必要となるのでしょう

最後に、

誰しも不安はあります、不安に対して保険に加入する訳です
不安については知識でカバーしなければ不安解消とはなりません
知識が必要な時代なのです


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